「…ん………?」





部屋の窓から光が差し込む。


ここは自分の部屋だ。


体を起こそうとするが、まるで鉛の様に重くて動かない。







あの夢の後は、いつだってこう。




「あ…ちくしょ……」


そんな体を無理やり起こし、いつものように支度をする。


「学校なんてめんどくさ…」


そんな呟きを残しながら彼は階段を下りていく。

置いてあるパンを適当に掴み、鞄を肩にかけて外にでた。










俺の名はレシル・ライオット。
ここ、ラーディウスタウンに住む平凡な18歳だ。


しいて言えば天才。




学校では成績学年トップのまま3年間過ごしてきた。

学校の授業なんて今、おまけみたいなものでしかなかった。




分からない事なんかない。


本来なら学校に行く必要性も俺にはない。





それに俺は他人が嫌いだ。


人は分かりあえない生き物なのに交流なんか持って何の意味がある?






そんな交流が嫌いな俺の事を考えもしない親達は無理に学校に入れた。



行く必要のない所に行かされ、他者と交流させられる学校は地獄と同じ。









だから、俺はいつだって一人だった。



それが幸せだったからよかった。