「うわぁぁぁぁぁっ!!!」
「ひゃうぅ!!」
その瞬間に目が覚めた。
吐く息が重い。荒れた呼吸音が耳障りに感じた。
いつも以上に鮮明な夢………
まだ頭がぐらぐらする。
……しかも痛むし。
「あーゆーおーけー?」
コンがただそれだけ聴いた。
レシルは頭の痛みを堪えて返事をする。
「あぁ…大丈夫…」
この言葉でコンは安心したのか部屋の外に出て行った。
「……」
あの少女は…………
部屋に4人が入ってくる。
「レシル大丈夫?」
「別に…たいしたことねぇよ」
「心配して損したわ」
嫌みらしくレビテアは言い部屋を出ていく。
アーチェもそれについていく。
「ねぇ、お前って誰?」
コンの言葉でレシルは硬直する。
コンはもう一度言った。
「レシル、お前なんて知らないっていった。お前って誰?」
レシルは数秒黙り込むが、コンの眼差しにやがて重い口を開いた。
「何も……覚えてないんだ」
「……だってさコン。お前が誰かなんて、覚えてなきゃわかんないだろ」
「いや、違う」
オリハルがそう言ったのをレシルは否定する。
「俺が覚えてないのは、それじゃない……過去の事は何も知らない」
「えっ……?」
しばらくの沈黙が、部屋を包んだ。


