早くこの指輪を理夜に渡したい一身で…


俺は仕事を何とかやりくりして、理夜の平日の休みと合わせて無理やり休みを取った。



理夜は何事かとびっくりしているようだ。


そんな理夜の顔を見て…俺の胸は高鳴る…。


早く渡してしまいたい…。


だけどせっかくの休みだし、理夜との久しぶりのデートだ。



今日の最後の締めくくりとしてあの場所で渡したかった。




夕方…


日も落ちかけた頃、俺は車を走らせ…


大黒ふ頭に向かった。




夕陽を浴びたみなとみらいの景色は…赤く染まり…


最高のシチュエーションだ…。



俺が指輪を渡すと…


理夜は指輪を見て思い出してくれたようだ。


そして、最高に喜んでくれて…



俺は大満足だ…。


指輪のサイズも…ピッタリだ。


それだけが気がかりだった俺は、ホッと胸を撫で下ろした。



だけど…理夜は俺一人で買いに行ったと思ってる…。


口が裂けても、カンナと買いに行ったなんて言えない。


でもバレなければ…すむことだ。


そういうことにしておこう…。