私は、そっと指輪をはずし…


翼と女の人のテーブルに置いた…。


“カチャッ”


乾いた音がして…


その音が…余計に悲しくて…耳に残る…。



そしてその女の人に向かって…


『この指輪は…あなたのものです…。』




涙が止まらなかったけど…そう言って立ち去った…。



その女の人はすごく戸惑っていたけど…そんなの私には関係ない…。




店を出た後…私は涙を拭って…込上げてくる涙を堪えながら家へと向かった。




…尾行なんて…しなければ良かった…


良い事なんてあるわけがないのに…





私は…バカだ……。