『…これ…』
私は一枚のパンフレットを手に取り…
翼の方を振り向く…
『…ごめん。なんか…理夜に全部押し付けてたよな…。二人で決めないといけないことだったのに…』
翼は深々と頭を下げた…。
私はそんな翼を見て…涙が溢れた。
頭を上げた翼は、泣いて何も言えない私を見て…
『ごめん…理夜…。』
もう一度謝り…
私を愛しそうに…強く抱きしめた…。
久しぶりに感じる翼のぬくもり……
何故かホッとするんだ…。
涙が止めどなく溢れ…堪えきれずに…翼の胸で泣いた…。
『理夜…ちゃんと決めるから…これからちゃんとするから…結婚やめるなんて言うなよ…。』
翼の声は弱々しくて…縋るように…私を強く抱きしめた。
胸が熱くなる…。
心がぎゅって締め付けられて…
苦しくなる…。
やっぱり…
私は…翼を愛してるんだ…
きっと…マリッジブルーだったんだ…。
この時はそう思った…。
この時の私は…
私の中にある…ある想いには気づいてなかったから…。


