『話す気にもならない…。』
『何だよ!言えよ!!』
翼は、私の肩を掴んだ…。
掴まれた肩が痛い…
もう…無理…
そう思った…。
『…翼…。翼は本当に結婚したいの?』
『えっ…?』
『翼は…もう私のこと愛してないよ…。』
『何だよ…それ…』
翼はタバコに火をつけた…。
明らかに動揺している…。
『…結婚はやめよう…。』
そう言って私はロックをはずし…外に出た…。
勢いよく閉めたドアがやけに響く…。
そして…私は…走った…。
一刻も早く…車から遠ざかりたかった…。
どうせ…翼は追いかけてこない…
だって…
車マニアの翼が…
こんな車通りの激しい道路に自分の車を置き去りにするはずがないもん…


