思い悩んだ挙げ句…



今、私は人混みで溢れたところに立っている。





やっぱり、気持ちに嘘はつけられず…


来てしまった。




相変わらず、すごい人気…。



私の決意は揺らぎそうだ…。



やっぱり…来るべきではなかったのか…




引き返そうと思ったとき…

辺りがざわつき始めたと思うと…

会場の扉が開き、人混みに押され…

私の意に反して、流されるように会場に吸い込まれてしまった。



会場の入り口には、チケットを確認するスタッフが数人立って、一人一人チェックする。




私も戸惑いながら…スタッフにチケットを渡すと、


私のチケットを確認したスタッフは、私の顔をマジマジと見つめ、

『あちらのスタッフの方へ行ってください。』


そう言って、スーツに身を包んだ偉そうな人を指差した。



…なんで私だけ?



不思議に思いながらも、そのスーツに身を包んだ人に声をかけた。