今日も、新聞屋の仕事を終えて、バーに立ち寄った。

俺の中で…最悪な事態が起きたから…。






俺の担当地区は、理夜の住んでいる辺りで…


無意識に理夜の家の近くを通ったりして…


まるでストーカーみたいだな…



と、自己嫌悪に陥ったりしていた。




でも今日は、何軒か契約をとり、少し上機嫌だった。


勢いづいた俺は、もう一軒回ってから終わりにしようと思って、適当なマンションに当たりをつけ…


手当たり次第チャイムを押した。



やっと話を聞いてくれたお宅…


その表札を見て…


ドキッとする…。





“高岡”


と書いてある…。



まぁ…高岡さんなんて苗字はそんなに珍しくない…



そう言い聞かせ、玄関のドアが開くのを待った。




でも…


出てきた男の人を見て…妙な汗をかき始めていた。



俺の心臓は、バクバクと暴れだし…


静まりそうもなかった。