「こっくりさん、こっくりさん……」



「ねえ、鈴ちゃんやめようよ……」



「うちも怖くなってきた……」




夕暮れに照らされ、オレンジ色になった教室に3人の女子生徒が、1つの机を囲んでいた。


紙の上に10円玉を置き、何かを唱えている。




実は、『こっくりさん』をやっているのだ。




『鈴ちゃん』と呼ばれた人物は軽くため息を吐き、



「そんなに怖いならやめよっか」



と言った。



あとの2人は、安心したのか少し微笑んでいた。



「よし、帰ろう!」



3人は椅子と机を元あった場所に戻し、教室を後にした。