あの時も、これからも

「海斗が大好きで私のことを心底邪魔だと思っている、あわよくばこの電話で私たちの中がこじれることを望むどこかのご令嬢?」

「ドイツまで来て?」

はあ、とため息交じりの声が響く

「あるかもしれないじゃない。逆にドイツにいるからねらい目、とかね」

しるふの言葉に、海斗がうんざりしたように「やめろ」とつぶやく

「で、どうしたの。海斗から電話。奇蹟としか思えないんだけどさ、用件があったんでしょ?」

「ッとにかわいげのない奴だな。めでたく…もないかもしれないが、一応一個年を取った記念に電話してやったって言うのに」

海斗の発言に、ふと卓上カレンダーを見つめる

7月7日

「うっわ!ホントだ!!今日誕生日だよ!!」

忘れてた!!

と素っ頓狂な声を上げるしるふに海斗は苦笑する

そういうところ天然な奴だ

「ついに28かー。頑張らねば、そろそろ重力に持ってかれてしまう」

むむむとうなるしるふの耳に海斗の快活な笑い声が響いた

「安心しろって。確実2年前からは変わってないから。俺が保証する」

「そう?結構地味にストレッチとかは頑張ってたんだよねー」

まあ、ジムに行っている海斗には敵わないけど