「それがどうした」
よく日本からの留学生を受け入れているこの病院の食堂には、日本食が用意されている
なんだかんだで日本人らしくドイツに来て一か月くらいが経つが、トータル的に和食を選んだ回数が多いような気がする
「謝ろうと思って」
「は?」
海斗の怪訝な表情に桃花は小さく肩をすくめ
「私、黒崎病院の跡取り息子なんて所詮、いいとこ育ちのボンボンだと思ってたから。寄ってくる女をとっかえひっかえ遊び歩いてるんだと思ってたのよ。ついでに世間で騒がれてる腕前も疑ってたわ。本当にあなたが執刀したなんてわかんないし。だからみんながあそこまでお熱になる理由がこれっぽちもわかんなかったの。でも、そうでもないみたいだし。だから謝ろうと思って」
と悪びれる様子もなく、淡々と告げられる桃花の後腐れないところは、結構好感だったりする
海斗が黒崎病院医院長の息子だと知っても少し表情を変えなかった彼女を思い出させる
「それでわざわざ話しかけてきたのか。黙ってればいいのもを」
「まあ、ね。でも、あなたに初めて声をかけた時もぶっちゃけるところ、化けの皮でも剥いでやろうと思ってだったし、それも含めて、ね」
日本に帰ったら、宣言してやろうと思ってたのよ。あなたたちが夢見てた彼は、実は名ばかりの中身のない男だったわよってね
よく日本からの留学生を受け入れているこの病院の食堂には、日本食が用意されている
なんだかんだで日本人らしくドイツに来て一か月くらいが経つが、トータル的に和食を選んだ回数が多いような気がする
「謝ろうと思って」
「は?」
海斗の怪訝な表情に桃花は小さく肩をすくめ
「私、黒崎病院の跡取り息子なんて所詮、いいとこ育ちのボンボンだと思ってたから。寄ってくる女をとっかえひっかえ遊び歩いてるんだと思ってたのよ。ついでに世間で騒がれてる腕前も疑ってたわ。本当にあなたが執刀したなんてわかんないし。だからみんながあそこまでお熱になる理由がこれっぽちもわかんなかったの。でも、そうでもないみたいだし。だから謝ろうと思って」
と悪びれる様子もなく、淡々と告げられる桃花の後腐れないところは、結構好感だったりする
海斗が黒崎病院医院長の息子だと知っても少し表情を変えなかった彼女を思い出させる
「それでわざわざ話しかけてきたのか。黙ってればいいのもを」
「まあ、ね。でも、あなたに初めて声をかけた時もぶっちゃけるところ、化けの皮でも剥いでやろうと思ってだったし、それも含めて、ね」
日本に帰ったら、宣言してやろうと思ってたのよ。あなたたちが夢見てた彼は、実は名ばかりの中身のない男だったわよってね

