その距離は決して短くはない

何度暗い夜に涙して、嫌気がさしただろう

どうしてと、ごめんなさいと何度つぶやいただろう

でも、それももう終わり

名を呼べる愛しさを

答えてくれる大切さを

二人で笑っていられるこの日常を

想いながらこの道を進んでいく

しゃんと顔を上げて、過去の自分も受け入れて

前を向いて行こうと思う

一年間、伸ばしても届くことのなかった手は、今、ここにあるから

そっと差しのべられた大きな手を取る

もう、二度と離さない

絶対に掴み取ってみせると、誓ったから

すっと視線を上げると漆黒の瞳と視線が交差する

行こうー、そう言われているようで

答える代りにゆっくりと頷く




あの時、たくさんの海斗との「あの時」

たぶん毎回のように愛しさを感じてきた

そして、これからも

私は、海斗に抱いたこの恋を、この愛しさを大切にしていく

そう、未来の「あの時も、これからも」…