「今だからぶっちゃけるけど、その海斗の淡泊さに結構私傷ついてたんだよ?」

知ってた?

大切にされていないとは思わないけれど、どうもその実感が得られなかった日々もあった

小さなことに傷つき、でもそれを言えなくて

一人で悩んで

最終的に海斗と別れようと思ったことだってある

あの時に比べたら、今は自分も海斗も成長した

あの頃はお互いに距離を測りかねたり、手探りだったのだと思う

「傷ついてた、過去形だろう?打たれ強くなった証拠だ」

「あのね、何が悲しくて彼氏に対して打たれ強くならなきゃならないのよ。彼氏には甘えたい、それが女心ってもんじゃない」

てか現在進行形だったら当の昔に別れてるわよ

「しるふのそういう、思ったことをはっきり言ってくるところが結構好きだよ」

小さな笑い声とともに海斗があっさりと告げてくる

「なッ!ばか!どうしてそう突然好きだよとか言ってくるの!心の準備出来ないじゃない!!」

照れて前髪に手をやるしるふが浮かぶようで、海斗はさらにくすくす笑う

「未だに結構照れ屋なところも」

「海斗!怒るよ!!」

ああ、これじゃあ4年前と何も変わってないじゃない