あの時も、これからも

面倒くさい、そう思い当った自分に、ふと息をつき、

「腹、くくったはずなんだけどな…」

そうつぶやきながら歩いてゆく海斗の背に桃花が不思議そうな視線を投げかけていた




ビーとガムテープを伸ばして段ボールに封をする

「よしっと」

大きめの段ボールに着なくなった夏服を仕舞い込み、きちんと蓋をし終えたしるふは、ふと息をつく

このダンボールは、海斗の部屋行きだ

あと透明な袋に入っているものは、ついでにもう着ないと思う服

こっちはごみ収集行きだ

こうやって少しずつでも片づけていかないと海斗が帰ってきてから慌てふためくことになるはず

そう思って、ついでに手持ち豚差になってきた休日の使い方が見つかっていそいそと引っ越しの準備を始めている

人間やろうと思えばできるものだ

今まで時間ないとか面倒くさいとかいろいろ理由つけて同棲をしないで来たけれど

それはきっと休日にお互いの家に行き来する生活が、結構気に入っていたから

海斗の部屋はおふろとかベッドとか部屋とか、いろいろ広くて、音のいいステレオもあるし、いろいろ使い勝手がいい

でも、しるふの部屋は狭いだけにその狭さに時々安心感を覚えるのだ