あの時も、これからも

「はあ…」

ひとまず口をついて出たのは、重い重いため息

どうして世の中うまくいかないのだろう、と嘆いていると

「黒崎くーん。見てたわよー。さっすが、黒崎病院跡取りはモテるわねー」

ドイツまで来るってすごいわねー

と、にやにやと笑いながら春日部桃花が近寄ってきた

「春日部…、お前、趣味悪いな」

あからさまに眉を寄せる海斗を気にする風もなく、桃花はほほとわらう

「いやー、ついつい魅入っちゃったわー。ああやってたくさんの女の子泣かせてきたのねー、罪な男ー」

「…放っとけ」

そういうお前はとことん悪趣味だよ

と心の中で毒づく

「この間来たブラウンの髪の女の子、なんならあの子に知らせてあげるわよ?あの子、本命なんでしょう?」

明らかに楽しんでいる風な春日部に冷たい視線を投げかける

「お前、性格悪いって言われたことないか」

「そこまで度胸のある男に出会ったことないからー」

ははっと快活に笑う春日部に、そりゃ、誰もお前がそんな性格だとは微塵も思わないだろうよ、と感想を抱く

黙っていればそこそこなものを