あの時も、これからも

しるふと付き合って4年、海斗がしるふをかわいがっているという噂を聞きつけて何人か攻撃を仕掛けてきたご令嬢たちはいたが、花蓮からは何の音さたもなかったから

きっともう違う人生を歩いているのだろうと思っていたのだが…

(まさかここにきて出てくるとは、な…)

何かにごっそりと気力をそがれたような気がしながら海斗は、小さく息をつく

「海斗君?」

小さく首をかしげて花蓮が見上げてくる

身長はしるふよりも1,2センチ小さいくらい

だが、まとう雰囲気がかわいいという印象を抱かせる(らしい)

今の海斗にとっては、悪魔の微笑みなのだが…

「久しぶりだな、望月」

これをかわいいとかいうやつの精神が理解できん、と頭の片隅で思いながら社交辞令を述べる

と、海斗に名字で呼ばれたことに不満を覚えた花蓮が、小さく瞳を細める

「海斗君、また名字読み」

海斗の相手の呼び方は、その人との距離を反映する

一番遠い距離が、その時だけ名を覚えてすぐに忘れるパターンで次が名字読み、続いて名字に「さん」等をつける

つまり花蓮の位置は、海斗の中で二番目に遠い距離なのだ