あの時も、これからも

「何よ」

呼んだはいいが、続きを言わない弘毅に痺れを切らして亜紀が促す

「……俺らもそろそろ結婚するかー」

海斗が結婚したら周りがさらにうるさいだろうし

いい機会かもなー

この流れに乗るのもありかもしれない

「そうねー、海斗が独身じゃなくなるのは痛手だよね…って!!何あっさりプロポーズしてくれちゃってんの!?」

場所と時考えてくれる!?

ムードの欠片もないのよ!!

「今更だろ、そういうの」

「あのね!!女にとって結婚がどれだけの一大イベントだと思って!!それを申し込むつーのに、何!?その、そこら辺の居酒屋で飲んでこっかー的なノリのプロポーズは!!」

んなの受けてやると思わないでよね!!

「キャラじゃねーんだよ、そういうの」

知ってるだろ

「知ってるけど!!だからって流していいものと悪いものがあるのよ!!」

あんた、海斗よりもどうしようもない男ね!!

「それも今更。とにかく考えておいて」

あんた、まじ!!海斗に説教されればいいわ!!

うれし交じり驚き交じり、でも少し怒ったような亜紀の声が響き渡った