あの時も、これからも

「ちょっとー!!さっきから聞いてれば何!?この二人だけ理解して話してますよ感!!マジ!!弘毅後で海斗にちくっておくから!!」

覚悟しておきなさいよ!!

「うっせーな。耳元で吠えるなよ」

「あんたが悪いんでしょ!!二人だけで話進めるから!!しかも!!相手はしるふちゃんよ!!!しるふちゃんは私のだっての!!」

「お前のその発言の方が問題ありきだから。海斗に怒られるぞ」

「いや、二人の間に流れてた雰囲気の方が問題だもんね。弘毅がしるふちゃんと分かり合ってたー、ってメールしておいてあげる」

「そしたらあまりにも立花さんが寂しそうでついつい声をかけましたって言っておくよ。元凶は海斗なんだから何も言えないだろう」

あっけらんかと笑う弘毅のこういうところが海斗と似ていると思う

仲いいなー、と言い合う弘毅と亜紀をよそに微笑む

「ま、いいや。あんたなんか」

それよりさ、

「で?どういう心境の変化なの?右にしてたペアリングを左にするって」

「えと…、それは…」

言葉を濁すしるふに弘毅が助け舟を出す

「女のくせに時々こういうとこ鈍いよな。勘付けよ」

「うるっさいわね。だって海斗が結婚とか似合わな過ぎるんだもん。しかもあいつまだドイツじゃん」