こんな時海斗がいてくれたら亜紀を咎めてくれたのに

「海斗に言っておいて。式あげるならさっさと日取り決めて連絡よこせって。じゃないと休みが取れない」

亜紀の不思議そうな瞳を無視しつつ、弘毅が意味深な発言をする

「あ、うん」

「ちょっと!どういうことよ!!何二人でわかりあってんの!!」

弘毅!海斗にちくるわよ!!

一人話についていけてない亜紀が、弘毅をにらむ

「いいよ、わかんなくて。うるさくなるだけだし。あ、でもちくるのは勘弁な。立花さん絡むと海斗怖いから」

いくら俺でも許してくれないかもしれない

「だったらなおさらちくってやるってのよ!!」

「あいつ、元気にやってる?」

もはや亜紀の発言は無視だ

「うん。この間ドイツ行ってきたんだ。…で、」

これ、と左手を軽く動かす

「へー、やるね。まだ半年あるってのに」

「間が悪かったんだってさ」

「は?」

「行った日にちょうどお店から連絡入ったんだって。本当は日本に戻ってきてからにするつもりだったみたい」

「へえー、さすが。立花さん相手にはやること違うんだよな、あいつも」

べたぼれだもんな

感心したように相槌を打つ弘毅に照れたような笑みを向ける