あの時も、これからも

冷蔵庫にあったのは少々の野菜

冷凍庫に肉があったから簡単なスープを作る

トマトをそのまま入れてミネストローネ風に仕上げる

ミネストローネにご飯は合わないかもしれないけど、まあ仕方ない

外出するなって言われたからこれで文句も言おうものなら即帰国してやる

と、湯気を立ててことことと音を立てる鍋を前に憤然と思う

少しばかり寝過ごしてしまって慌てておふろを沸かしたり、夕食の準備をしていたが、時計が6時を回っても海斗は帰ってこなかった

仕事が長引いているのだろうか

それならそうと連絡をよこせー

と思うが、あの男が忙しい合間を縫ってメールをよこすなどそうそうあることではないと思い直して味のしみこんでいく野菜を眺める

まだかなーとそんなに進んでいない針を見上げる

一、二分おきに見上げているような気がしないでもない

6時に帰ってこなくて、じゃあ6時15分、それも過ぎて30分でどうだ

とだんだん時間が過ぎていく

何してんだろう

5時に終わるって言ったのに

だんだんすね始めたしるふの耳にドアの開く音が聞こえる

続いて低い声も

「ただいま」

振り返ると私服姿の海斗がいて、思わず唇を尖らせる

「遅い」

5時に終わるって言ったじゃない

もう6時半過ぎだよ?