就職を蹴ったわたしは、花まるマートに戻った。


シフトを引っ掻き回し、店長は心底呆れていたが、新人が入る予定もなく人手不足だったようで、なんだかんだで受け入れてくれた。


水橋さんや田辺さんに就職を蹴った理由を聞かれたが、真実は言えずに「ブラック会社だった」とだけ言った。

どちらにしろ、安定期が過ぎたら花まるマートも今度こそ辞めるつもりだから言う必要はないと思った。


店長にだけ事情を話し、体に負担がかからないよう以前より少ないシフトを組んでもらった。



わたしとそらの関係は、以前と変わらない、と言ったら嘘になる。



少しだけぎこちなくなった。



「葵、ベッド使って寝なよ。俺ソファーで寝るから」

「ごはんもっと食べなよ、体力つけないと。ほら、俺のも食いな」




そらは罪悪感を持っているようで、よそよそしくなった。