そらが大学3年になり、就活を理由にバイトを辞めてしまった。



少し寂しかったのは、単に会う時間が減るからだけではない。


未来のために前へ進もうとするそらと、立ち止まったままのわたしの距離が、ひどく辛かった。





そらがバイトを辞めて数日後、わたしは近藤さんと同じシフトの日。


普段は必要以上に話さない近藤さんが、珍しくわたしに話しかけてくれた。


「藤堂、ちょっと相談なんだけどさ…」



ひどく神妙な顔をして。


「なんですか、シフトの変更ですか?」

「いや違うの。もっとプライベートな話なんだけど…聞いてくれる?」



深入った話などしたこともないわたしにプライベートな相談をするとは。少しびっくりした。