バイトが終わり、ロッカーから携帯を出すと、メールが1件着ていた。
発信者は、“沢田そら”
“こないだ読みたいって言ってた本、明日持ってくるね(^-^”
果たしてわざわざメールする内容かどうかはさておき、メールをくれたことが少し嬉しかった。
“ありがとうございます。
読んだら、焼き肉の美味しいお店で感想など言いたいです。
ホルモンは好きです。”
これで勘弁してくれ、という気持ちで文章を打つ。
何度も読み直し、変な点がないか入念に確認する。
むしろ確認を理由に送信ボタンを押すことを躊躇っていた。
自分がこんな文章を作ったことに対する違和感に耐えられなかったが、えいっ、と送信ボタンを押した。
少ししたら携帯の画面は、“送信しました”とメッセージが出た。当然だけど。