翌朝。


車を返し

空港についた。



「・・・・
 これでよかったのかな。」




栞がポソっと

つぶやいた。



きっと久遠先生も

同じ気持ちなんだと思う。



「これ以上は
 僕たちでは
 何もできませんし・・。」




久遠先生が答えた。




そのあと

私たちは言葉少なめに

北海道をあとにした。





――――。





到着ロビーに

降り立ったとき

見覚えのある人影が

控え目に手を振っている。





「伊波先生だぁ~♪」





栞が大きく手を

振りかえす。


はぁ・・・


荷物が重い。


なんだかフラフラする。


あれから胃の調子も

よくないし・・・。



疲れちゃったかな・・・。




「悠月?!!」





え?


なに??

栞が呼んだ??


返事をしようとしても


声が出ない。







視界が・・・



白い・・・・。