「そうだ!月、明日引っ越すからな。」

ん??

「え、どういうこと。」
「まぁ、その、あれだ!
 都会から俺とママの故郷に引っ越す、みたいな?」
「え…「聞いてないんだけど!」」

あたしが喋ろうとしたところを
智稀が遮る。

「それはママ達が悪かったわ、ごめんなさい。
 でも、引っ越すのは決まっているから行かなくちゃいけないの。」

「学校は?学校はどうしたんだよ!」
「もう、転校の手続きを済ませてあるわ。」

「詳しいことは、着いてから言うから
 ひとまず今日は、荷物をまとめておいてくれ。」


その夜、あたしと智稀は
かなりの疑問を持ちつつ荷物をまとめた。