「オレはうちの親たちみたいな関係って、いいなって思うよ」 「うん。気付かされた感じ。イラストのこと、せっかく好きなことを持っているんだから、もっと頑張ってみようと思った」 「きっとさ、頑張っている綾を見たら、かわいそうな奴なんて、思わないと思う。綾が傷ついた言葉のことも、言ってみたら?」 「そうだね。ほんとうの意味は、違うのかもしれない」 「もし、それによって、立ち直れないほどの傷を受けたらさ、――オレがいるよ」 綾は足をとめる。 恭司が振り返って少し照れくさそうに綾を見る。