「あんなこと言われたら、泣きたくもなるよ」 「今、綾は家に居たくないほどのことがあった後だろ?30万も賞金もらって、本当なら嬉しさで飛び跳ねてたっていいくらいなのに。そんなときにつけ込みたくない――ってオレ、何言っちゃってんだろ?」 「話しを聞くためにここに来てくれたの?」 「オールナイトでも話せるよ。オレ若いから」 綾が泣き笑いしているように恭司には見えた。 「まず、一曲歌う。星屑恋夜かな?やっぱり。悪いけど、オレ、かなりウマいから」