「痛っ。このクソ女、何してくれるん!?」


「お前、出て行きたくないんやったらその口塞げ。」


わたしの顔は相当キレとったやろう。

これ以上言うとほんまに出ていかされる思ったんか、拓也は黙った。



「暴力女なんて絶対ゴメンやわ。」


そう言うと自分の携帯をいじり始めた。

こいつは出会い系をしまくっとる。

某無料サイト。

相当メールしまくっとる。

それを普通に言うから神経を疑う。



「拓也、今何人メル友おるん??」


「未知数。」


おもんなっ…。

相手にするのも疲れるから話すのをやめてまたテレビを見とった。



わたしが何でこの家におるかっていうと弟を待ってるから。

いつもは彼氏の家だけど今日は弟の誕生日やった。

プレゼントやろう思て待っとった。



そんなとき弟が入ってきた。

今日は誕生会を彼女とするらしいから早く出ていくらしい。

だから早めに来てたってわけ。



「裕太、おめでとう。はい、コレ。」


わたしは裕太の好きなブランド、トミーフィルフィガーの時計をあげた。

あけた裕太はほんまに嬉しそうな顔をしとった。

それはわたしも嬉しくなる。



「裕太くん、俺もあるで。」


そう言って拓也も裕太に何か渡した。

こいつたまには気きくやん。

そう思ってたら大間違い。