三笠優斗とは学年は同じものの、同じクラスになったことは一度もない。
そう、二年間の一度も。
そして話したことさえない。
「ここ、俺専用の教室」
まだクスクスと笑いながら話す三笠優斗。
…って、え?
「俺、専用……?」
聞き間違いかと思い聞き返して見る。
「そ、俺専用。」
にこりと効果音がつきそうな笑顔をしながら、確かに言った。
“俺専用”と。
「あはははっ、変な顔ー」
突然大声で笑い出す三笠優斗に、あたしの頭はついていけなかった。
「あんね、俺、特別だから専用の教室があんの」