名もない黒猫の瞳は青色




「待ってる!陽斗のこと、待ってるね!」


そう言ってニコッと微笑む。


それくらい、わたしは嬉しかったんだ。


たとえ、短い時間でもわたしに


会いに陽斗が来てくれるなら


なんでもよかった。


「じゃあ、な」


わたしは歩き出した陽斗の後ろ姿に


見えなくなるまで手を振り続けた。


あのね、陽斗、


本当は毎日来てほしいな…


でも、それはわたしの我儘。


だけど、わたしあと1週間でいなくなっちゃうんだよ…