ちっちゃいあいつの夏休み

「そのサイズって何だよバカ!!」



「バカは余計だチビ」



「っっっ!!!!」



軽く涙目になっているチビ。



睨みあっていると、



「はーい、ケンカはしないでね〜」



と、兄さんが割って入ってきた。



「橋本は一人じゃろくに飯も食えないんだから、おとなしく預かられなさい」



「でもっ」



「金もかかんないし、場所もいらないし、お前に断れる口実もない。



…長いものには巻かれとけ」



私がそう言うと、橋本は渋々頷いた。



いつの間にか、皿にあったカレーは綺麗に無くなっていた。




私は手を合わせた。パチン、とわざと音を鳴らして。



「ご馳走様でした」



立ち上がって、机の上の皿を集める。



「………俺、戻れるかな……?」



ぽつりと橋本が呟いた。消え入りそうな、小さな声。



気がつくと、私の手はその声の主の頭をくしゃっと撫でていた。



「大丈夫、私が絶対戻して見せるから!」



ああ、と橋本は照れ臭そうに笑った。



ーーーーーさて、これからどうしましょう?