折角だからさ。




晃穂ちゃんは手の中のナイフを見つめ、カタカタと震えだした。

「あ、ぁ……」

「あたしはそんなに気の長いほうじゃないんだけど?」

目からはぼたぼたと涙が落ちる。

「あぁ……あ…」

「10、9、8…」

あたしがカウントを始めると、彼女はナイフを強く握って清水くんを見つめた。