World Walker

「りせ!」

マー君は椅子から立ち上がり、大好きな優しい笑顔を見せてくれた。

「おかえり!何だ、帰ってくるなら電話の一本もくれればよかったのに。美味しいもの準備してあげたのに」

「う、うるさいなっ…疲れてるんだから騒がないでよねっ…」

久し振りに会えて嬉しいくせに、照れ隠しにそんな生意気を言ってマー君の脇を通り過ぎるりせ。

「あー…来栖、やっつけてきたから」

「え」

何でもない事のように言うりせに、マー君の表情がかたまる。

「や…やっつけてきたって…」

「ギャフンと言わせてやったわ。泣いて『もう二度としないから』って言うから、命だけは助けてあげたけど」

『命だけは』

その言葉に、マー君の表情が和らぐ。