World Walker

「…くくっ」

オールバックにした黒髪が乱れる。

頬に青痣。

目尻から、口元から、額から、血の筋が流れる。

絶句する使用人達。

決して来栖を主と認めている訳ではない。

寧ろ死地に叩き落としたいと日々思っている。

だがそれでも。

こんな来栖の姿はかつて見た事がない。

千年真祖、来栖恭太郎をここまで追い詰めたのが、年端もいかない娘とは。

本当にあの娘、一体何者だ?

既に聞いた答えを頭の中で繰り返しても尚、そんな問いが疑問として浮かんでしまう。