ワイングラスを差し出す来栖。

すぐにクレオがワインボトルを手にして、グラスに真紅の液体を注いだ。

「折角の持て成しを台無しにするか…非ず者達の館の主であるこの俺の面子を潰してくれるとは、なかなかの度胸だな」

「アンタの面子なんて知ったこっちゃないのよ!」

ガタン!と音を立てて席を立つりせ。

リルチェッタが、クレオが、部屋の片隅で腕組みして見ていたアリカが、殺気走った眼でりせを睨む。

「アンタなんかと和やかに朝食をとる気なんかないって言ってるでしょ!どういう神経してるのアンタ!」