「言葉には気を付けて頂けますか?」

極上の微笑みを浮かべてリルチェッタが言った。

「立場こそ来栖様に仕えるメイドですが、私は彼を心から主と認めている訳ではありません…寧ろ隙あらば命をとってやろうとさえ考えていますから」

「じゃあ、私達と目的は同じじゃない」

りせの表情がパァッと明るくなるが。

「無駄だ、りせ」

ヘヴンが油断なくクレオ、リルチェッタ、ライガンらを視線で牽制しながら言う。

「来栖を共通の敵と見ているとしても…『魔物が人間と共闘する事は有り得ない』…ここはそういう世界だ」