World Walker

『非ず者達の館』とその森一帯は、既に来栖 恭太郎の領域である。

森に足を踏み入れた瞬間から、来栖にはその存在を知られていると言っても過言ではない。

決して油断はならない。

この森はもう、人外の魔境に等しいのだ。

息を殺し、緊張の糸を張り巡らせ、慎重に歩を進める。

と。

「!」

音がした。

風による葉の擦れ合う音でも、小動物の動いた音でもない。

明らかに大型。

人間サイズの何かが、茂みの中で動いた音…。