目の前のアイツ

「ずっとそんな態度だと、離してやんねぇぞ。ま、俺は別にこのままでもいいけどな。面白いし。」

(それは絶対に嫌だ!)

そう言われて、あたしは大人しくするしかなかった。と、口から手が離れた。


「はぁ、面白かったのに~。」

「面白がらないの!」

ま、離してもらえただけでもいいけど。
そんなことよりも、あたしは言いたいことがいっぱいある!

「萩也!さっきの言葉、だいぶ美化してた!」

「何でだよー。俺のかっこよさがうまく表現できてただろ?」

「あんたのかっこよさなんてどうでもいい。」

「俺はいつでもきまってないといけないんだよ。」

「全然きまってないし。」