目の前のアイツ

あたしが萩也への恨みを心でグチグチ言っていると、萩也はもうさっきの出来事を話し始めていた。

「それでさ、さっきの事なんだけどな、美羽がケーキのことで浮かれてたんだよ、で、水たまりを飛び越えて変なかんじにこけそうになったところに俺がかっこよく参上!そして美しく受け止める。みたいな!?」

「ケーキに浮かれてこけるって(笑)美羽らしいね。」

「ドジだからな。もう美羽のドジっぷりは見飽きた。」

こいつら散々言いやがってー!

「じゃ、これ離してやるか。」

「めっちゃ暴れてんじゃん。」

(ギロッ)

あたしは拓斗をにらをでやった。

「ヒャー、怖い怖い。」