目の前のアイツ

「いや、俺はカンペキなやつなんだ！」

｢｢ウザイ｣｣

あたしと百合香でハモって言った。

「萩也ダッセー(笑)」

｢｢お前もだよ｣｣

またハモってしまった。百合香はけっこう怖いんだよね。


「ドンマイ」

萩也が自分の肩を震わせ、必死に笑いをこらえながら、拓斗の肩にポンと手を乗せた。

「おい萩也、言いたいこと言ってもいいぞ。」

「マジで？じゃあ言うけどさー。拓斗、泣いちゃうんじゃない？」

「泣かねーよ。ほれ、言ってみ？」

どんな酷い事言われるんだ？と思っていると、萩也の口が開いた。