しばらくすると陽南は眠りについた。

「陽南ちゃん、寝ちゃいました」
「そうですか。昨日は楽しみにしてて、余り寝てなかったんですよ」
「ハシャいでましたね。それにしても、アレルギー反応ないですよね」
「ええ。優那ちゃん、どうかしました?」

優那は緊張から顔が赤くなり、身体が火照っていく。
「大丈夫ですよ。ちょっと暑いみたいで」
「大丈夫ですか?」
心配してくれる陽輝。けれど、陽輝の顔が近くになって余計に身体が火照る。

「あの……」
「何ですか?」
「ち、近いです」
「ごめんなさいです。もうすぐ駅に着きますね」

この日常的な時間をもっと感じていたい。そう思った優那の気持ちを察したのか、陽菜が訊ねた。

「竹本さんの家に行ってもいいですか?」
「そうですね。本当はいけないのでしょうが、陽南が家に呼びたいって言ってました」

陽南の望みを叶えるのと職員としての立場を考えているのだろう。すると、陽南が目を覚ました。

「おはよう。陽南ちゃん」
「陽菜お姉ちゃん」

陽南は陽菜を見て嬉しそうな笑みを浮かべる。それを見た陽輝は優那達を家に呼ぶことを決めた。

「今からお姉ちゃん達が家に来るの?」
「そうですよ。楽しみですか?」
「うん!」

陽南の嬉しそうな笑顔で三人が笑顔になる一方で、優那は緊張した顔。