復讐ストーカーゲーム1

 火照った体で階段を上がった。


途中秋雄の部屋の前でふと立ち止まる。パソコンのキーボードを弾く音が聞こえた。絵恋さんは部屋へ急いで戻ったのだろうか。


ウイルスキラーのこともそうだが、絵恋さんも心配だった。


――時が経てば、やがて秋雄のことは忘れてくれるんだろうか? 実家に戻れば、記憶を消し去るのを早められるとは思うが……。


自分の部屋に戻り腰に巻いたタオルを解き、もう一度髪の毛をゴシゴシと拭いた。ふと机を見ると着信があったと告げる携帯のランプが光っている。


「こ、これは!」


その隣では鼠が横たわっていた。口から泡を吹いて死んでいるようだった。


――なぜ鼠が……!?