復讐ストーカーゲーム1

 ……情報? 一般人が容易く集められるのならば、なにも苦労しない。


湯船から出て、ボディーソープを付けたスポンジで体を洗い出した。


「俺もパソコンは得意だから、色々調べてみるよ」


弱々しくガラス戸に向かって話しを掛けた。


「信子や秋雄さんはどうして消えたのかしら……? なんでかしら? ねぇ! なんでだと思う! なにか知っているんでしょう信介さん!」


最初は穏やかに話す絵恋さんだったが、徐々に声を荒げるようになった。


やはりいつもとは違い、正気ではないような気がした。


「絵恋さん。そろそろ俺、上がるよ。俺の裸は見たくないでしょう? ちょっとごめんね。戸を開けても良いかな?」


「……」


絵恋さんは、答えなかった。まぁいい。話の内容を変えたかった。昨日から、態度が可笑しすぎる。


いくら責められようとも、その答えは返事しようがない。言ってしまえば、今度は絵恋さんの命がなくなってしまうのだから。


戸を開けると絵恋の姿はなかった。バスタオルで髪の毛を無造作に拭き、タオルを腰に巻いた。


ウイルスキラーに報復しなくてはとは思うが、いかにして復讐すれば良いのか、さっぱり思い浮かばなかった。