復讐ストーカーゲーム1

 ――そうだった。金を借りたまま返していなかった。その問題をすっかり忘れていた。


「体調が悪くて……そのう、仕事は辞めてしまったんだ。ごめん、絵恋さん、先にお風呂に入らせてよ」


絵恋の横を素通りし、階段を下りた。汗が益々じめっとした。


この家が安全だと思っていたが、考えなくてはならなかった。仕事を探す? 危険を顧みて? 冗談じゃなかった。


風呂の戸を開け、蛇口を捻った。ほどよい湯加減のシャワーを頭からかぶった。


――自分の命を守り、ウイルスキラーに復讐するのが先だ。


「信介さん、お風呂に入りながらも聞いてよ。私の話」