――やっぱり絵恋さん……尋常ではない。秋雄を失って精神が不安定なのかな――。


途切れた絵恋の声に、妙にほっとし、机の前に腰を下ろした。


土鍋の蓋を開けてみると鮭と卵が入ったお粥だった。食欲をそそる良い匂いだったが、気分が食べろとは言わなかった。


ぐったりとした気持ちに、再び布団に横になった。


――
――ドンドンドン!!!! ドンドンドン!!!!


「……ん――なんだ?」


ノックとは程遠い、ドアを強打する音が聞こえた。随分眠ったせいか、体は大分楽になっていた。


「信介さん! 今何時だと思っているの! まだ寝ているの!」