――信介さん。大丈夫? 


これは絵恋さんの声? それと、扉をノックする音がする……。


「信介さん。丸一日以上寝ているけど、なにかあったわけじゃないわよね? 起きていたら少しお話をしたいのだけど……」


これは夢ではない。本物の絵恋さんの声?


もう一度聞こえる、数回のノックの音に脳味噌が覚醒した。


「今何時だ?」


机の上のデジタル時計に視線を移すと19時過ぎを表示させていた。


あれからずっと眠ってしまっていたのか……。