自宅に戻り、疲れた体を布団に沈めた。まるで何日も寝ていないような感覚だった。


安全地帯とも言えるこの部屋で、癒すように重く瞼が閉じ、時を移さず、速やかに眠りへと誘い込んだ。


――信介。前回りは勢いが大切なんだよ!


――兄貴は痩せているからいいけど、僕はお腹が邪魔して上手く回れないんだよ。嫌味を言うなよ。


――それなら鉄棒は止めて、縄跳びを教えてやるよ!


――やだよ! どうせ上手く飛べないもん。家に帰る!


――……信介。


こんなことになるのなら、なんでも素直に教わり、もっと秋雄との時を楽しむんだった……。


「……兄貴ぃ」