俺はもう既に、心が壊れてしまっているのかもしれない。


いつ死ぬか分らない身震いするほどの恐怖。絵恋の母親に復讐しなくてはならない悔しい思い、反面絵恋さんを悲しませてしまう血涙。


己のプライドを傷つけ、兄貴を殺したウイルスキラーを闇に葬らなくてはならない使命。


感情がグルグルと体の中で回り、その気持ち悪さに痙攣を起こしそうだった。


――慌てるな……一つづつ解決するんだ。まずは、なぜ絵恋の母親が秋雄を憎んでいたのかだ――。


体を揺らし公園から出て行く俺に、嫌というほど張飛の視線を背中に感じた。