「あ、ありがとうございます!!!!」


思わず看護婦の両手を掴んだ。本当は抱きしめて、振り回したいくらいだったが、今は秋雄の無事をこの眼で確かめるの方が先だ。


「銃なんて、安全と言われている日本で本当にあるんですね……今は恐ろしい世の中なんですねぇ……多分警察の方がいらっしゃると思いますから、今は休まれた方が宜しいですよ? 

お部屋は301号室です。ではまた後ほど」


カルテを抱えた看護婦は、心配そうな笑みで軽く会釈をした。


「はい! 本当にありがとうございます! 感謝で一杯です!!!!」


敬意を全身で表したかった。年配の看護婦の足音が消え去るまで、深々と頭を下げた。


「……うーん……信介、誰におじぎをしているの?」