「……大丈夫かしら、お姉さん。今の状態でこれだったら、もしもの時――」


「み、霙! それ以上は言うな! 今は祈るしかないんだよ!」


「……ごめんなさい」


霙は隣へ座り、シュンっと落ち込み俯いた。そして、またスマートフォンを指先で操作している。


「やつの得意技はウイルスかぁ……生憎だがそんな知識は持ち合わせてない――」


「やつ対応のウイルスソフトでもあればいいのにね」


「……ははは、笑える」


俺たちは暗く笑い、それからは無言で、休みなくずっと祈りを捧げていた。